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###子ども文庫助成　助成先からの声①　公益財団法人　東京子ども図書館

［はりかえ　けいこ理事長より、50周年へのメッセージ］

　東京子ども図書館は、伊藤忠記念財団よりひと足先の1974年1月31日に、東京都教育委員会より財団法人設立の認可を得ました。当館のルーツは、1950年代から60年代にはじまった都内4ヵ所の家庭文庫（土屋滋子の、ふたつの土屋児童文庫、石井桃子のかつら文庫、松岡享子の松の実文庫）にあります。戦後復興期から高度成長期にかけて、まだ公立図書館が子どもへのサービスに力をそそげなかった当時、自宅を開放して、自由に本を読んだり、借りたりできる文庫は、子どもが読書の楽しさに目覚める貴重な場所になりました。

　石井桃子は、『子どもの図書館』（岩波新書、　1965年）で、かつら文庫の最初の7年間の様子を生き生きと記しています。最初のうちは、様々な年齢の子どもたちを静かにまとめておくために、絵を描かせたり、折り紙をさせたりの試行錯誤が続きましたが、やがてそれはなくなり、声に出して本を読んでやったり、お話を語ったりするようになったそうです。

　よっつの文庫の仲間が寄り集い、話し合ううちに、週1、2回開くのではなく常設の図書室を持ち、そこから得たものを、講演・講座、研究、出版等を通じて、広く発信できる組織を作りたいという願いが生まれました。そして、数年の準備期間を経て、財団法人東京子ども図書館が誕生したのです。財団とはいうものの、めぼしい財産などなく、創設に関わった役員らが、きょきんを約束するなどして活動費を賄いました。

　伊藤忠記念財団は設立当初より、青少年の育成に関わる様々な分野から、文庫助成にまとを絞ってくださいました。その恩恵として、「子ども文庫助成事業」初年度の助成先のひとつとして250万円をいただいたことは、当館の歴史に残る“一大事”でした。これにより、1976年10月に、イギリスの児童図書館員の先達で、すぐれた語り手でもあるアイリーン・コルウェルさんをお招きすることができました。2週間余りの滞在中に催された東京、大阪、箱根での講演会やセミナーは、十分な訓練や研修の機会を得られず暗中模索していた当時の図書館員たちに、子どもの読書と図書館についての基本的な知識と多くの励ましを与えました（講演の一部は、1994年、こぐま社から刊行された『子どもと本の世界に生きて』に所収）。

【写真】1976年のコルウェルさん招聘時の写真。左から順に、つちや しげこさん、いしい ももこさん、アイリーン・コルウェルさんがお話されている様子が撮影されている。

　その後も、新設された「子ども文庫功労賞」を1984年に石井桃子と土屋滋子が、1986年に松岡享子理事長、1990年には、ささ　りよこ理事が受賞。松岡は、1989年に設立された「海外留学助成事業」の選考委員も務めました。

　二者の連携が一気に強まったのは、2001年から2004年まで実施された共同の30周年事業「子どもぶんこプロジェクト」です。松岡理事長をチームリーダーとして全国の文庫を行脚し、聞き取り調査をするこのプロジェクトで訪れた文庫は、47都道府県100ヵ所以上。伊藤忠の専任担当・たかはし　きいちろうさんは、当館２階の事務室に設けられた席で、訪問先と連絡をとり旅程を組むなどの執務をこなし、当館機関誌の発行に合わせてニュースレターを作成、当館ホールで10回にわたる連続講座「子ども文庫の源流をさぐる」の講師も務められました（プロジェクト終了後も研究を続け、2018年、みすず書房より『子ども文庫の100年』を刊行）。また、プロジェクトチームの一員で、元伊藤忠記念財団事務局長の社浦みちおさんは、その後、当館理事として財務・管理を牽引してくださいました。社浦さんのお力添えがなければ、当館が2010年、いち早く公益財団法人に認定されることは叶わなかったでしょう。

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【写真】子どもぶんこプロジェクトの訪問先のひとつ、かごしまけん鹿児島市のてんとうむし文庫。2000年に子ども文庫助成を、じゅりょうしている。

【写真】子どもぶんこプロジェクトの訪問先のひとつ、兵庫県神戸市のせばやし子ども文庫にて。左から順に、まつおか きょうこさん、せばやし きょうこさん、たかはし きいちろうさんが並んで写っている。

　2002年から2008年には、「研修助成」として、当館から派遣する講師の交通費・宿泊費の助成をいただきました。これにより、北海道、秋田、沖縄など遠方に複数名で出向き、充実した講習会を開くことができました。また当館の講座に地方から参加する方々への交通費助成にも活用させていただきました。2020年からは「指定研修会制度」がはじまり、全国の文庫や読書推進団体から当館へ、助成金を使っての講師派遣依頼が相次いでいます。30万円という破格の謝金に見合うよう、実り多い講習をめざしているところです。

　そのほか、マルチメディアデイジー図書の製作が開始されてからは、当館の語りのためのお話集「おはなしのろうそく」から、作品を提供したり、朗読に協力したりしてきました。

　この度、50周年を迎える記念として協働の事業を行おうという話が持ち上がり、家庭文庫や幼稚園・保育園文庫など、小さな図書室を運営するための手引きを作ることになりました。2025ねん春刊行をめざして、目下、執筆・編集を進めています。

　振り返ってみますと、伊藤忠記念財団と当館との長年にわたるご縁に、あらためて驚かされます。この間に、当館は全国の皆様からのご支援により“自分たちの建物”を持つことができました。かつら文庫は、当館の分室・石井桃子記念かつら文庫として今も活動を続けています。今後も、草の根の読書推進活動を、それぞれ違った立場から見つめ、互いの持てる力を生かしつつ、ともに歩み続けられたらと願います。

####団体情報

公益財団法人　東京子ども図書館

理事長：はりかえけいこ

所在地：〒165-0023　東京都中野区江原町1-19-10

児童室開館日：か、すい、きん…午後1時から5時／ど…午前10時30分から午後5時

1974年、よっつの家庭文庫をもとに設立。児童室の運営の他、かつら文庫の公開や出版、講演・講座の開催、人材育成など、「子ども」や「子どもの本に関わるおとな」を対象に様々な活動を行っている。

ホームページ情報：　https://www.tcl.or.jp/

●じゅりょう・受賞歴

・購入費助成じゅりょう数：2回（1975年度 E.コルウェルさんによる児童図書館員のための講演会、1992年度 備品の充実）

・関係者の子ども文庫功労賞受賞数：4回（1984年度 石井桃子さん、土屋滋子さん、1986年度 松岡享子さん、1990年度 ささ　りよこさん）

●その他、財団との関わり

・2001年～2004年に共同で「子どもぶんこプロジェクト」を実施

・2002年度～2007年度に研修助成実施。一度終了ののち、2020年度から指定研修会制度を開始。

【写真】東京子ども図書館理事長のはりかえ けいこさんの写真。東京子ども図書館にて。