【67P】

##電子図書普及事業

【イラスト】すわって本を読むわいわいベアを正面から描いたイラスト

【68P】

###電子図書普及事業

障害があるために紙の本では読むことが困難な子どもたちへ読書機会を提供することを目指し、電子図書（マルチメディアでいじー規格）の製作・寄贈と、読書バリアフリー研究会の実施を事業の二本の柱としている。

####事業開始までの経緯

　2009年、新しい事業の構想を練る過程で、弱視の子どもたちは自分で読むことができる拡大本が少なく、読書機会に恵まれないことが分かった。さらに、視覚障害に限らず知的障害、肢体不自由、発達障害などの様々な障害により、紙の本での読書に困難さのある子どもたちが大勢いること、また視覚障害者等向けの音訳・点訳図書のほとんどが大人向けで、子どもたちのためのバリアフリー図書がわずかしかないことを知った。そこで、有識者からの助言をもとに、障害のある子どもたちへの読書支援を新規事業として、児童向けのアクセシブルな電子図書の製作・寄贈と、障害のある子どもたちの読書支援について学ぶ機会の提供を進めることにした。

　2010年4月1日に文化庁長官の指定団体に認定され、著作権法第37条第3項により、障害のあるかたに情報提供する場合に限り、著作権者の許諾を受けずに公表された視覚著作物の複製や公衆送信ができるようになった。この事業の中核となる電子図書については、いくつかの候補の中から、汎用性が高いと思われる国際標準規格の「マルチメディアデイジー」を選択した。マルチメディアデイジー図書では、パソコンやタブレット型端末などで目と耳から「読書」を楽しむことができる。読み上げている部分のフレーズに色がつく（ハイライト機能）ため、どこを読んでいるのかが一目で分かる。他にも、文字の大きさ、音声のスピード、文字や背景の色を選べるなど、読み手に合わせてカスタマイズできる機能が備わっているので、読みに困難さのある子どもたちの助けになると考え、財団内で製作を開始した。

【イラスト】マルチメディアでいじー図書の主な対象を示すイラスト。3人の子どもたちと6つの吹き出しが並ぶ。弱視のAくん：字が小さすぎて読めないよ。難聴のBさん：正しい読みや発音が良くわからないの。知的障害のCさん：漢字が読めないから困っています。病弱のDさん：無菌室に持ち込めないの。肢体不自由のEくん：ページをめくることが本当に大変。学習障害のFくん：文章をスラスラ読むことが苦手なんだ。

【69P】

　2011年3月に最初の寄贈を実施。マルチメディアデイジー化した31作品をCD盤に収め、全国の公共図書館（人口20万にん以上の都市）や特別支援学校1,135団体に送付した。各団体にアンケートを実施し、東京都の特別支援学校64校には訪問・電話による聞き取り調査を行った。不具合の有無や利用状況を確認して仕様の改善に努めた。当初はCDをパソコンで再生する際、閲覧ソフト（アミ）をインストールして電子図書を開く仕組みを取っていたが、利用者側のパソコンのセキュリティガードにより読書までたどり着かないケースが多発した。そのため、閲覧ソフトをデータに同梱する方式に変更し、パソコンで自動的に読書を開始できるようにした（Dolphin EasyReader Express。2020年度版以降ChattyBookExpress）。コピーガードの形式も変更し、タブレット型端末や専用機器での利用が可能となった。また、作品の流出などのリスクを想定して、作品データに「電子透かし（デジタル・ウォーターマーク）」を埋め込み、原因となったディスクを特定できるシステムを採用した。

【写真】マルチメディアデイジーの再生画面イメージ図。バージョンブルー「ももたろう」文：浜なつ子 、絵：よこやまようへい。

####わいわい文庫

　仕様を改善したのち、新たにマルチメディアデイジー図書38作品を製作、2012年5月に白いCD盤に収めて、全国の公共図書館、特別支援学校、小中学校等に寄贈した。この時から名称を「わいわい文庫」とした。

【写真】わいわい文庫の看板の写真。もともとは東京小中学生センターの本の部屋の入口に飾っていた。

　これらの作品は、著作権法第37条第3項に基づいて製作・寄贈を行っているため、「受領証」（著作権法の範囲内での利用を確認する書面）の返信をお願いしている。受領証はアンケートも兼ねており、わいわい文庫の利用状況や意見を把握する機会にもなっている。

【写真】2枚のCD盤の画像。左は白いCD盤のわいわい文庫、右は青いCD盤のわいわい文庫バージョンブルー。

　2013年からは、従来の白いCD盤に加え、バージョンブルー（青いCD盤）の寄贈を開始した。白いCD盤の利用は、著作権法第37条第3項に基づき、障害があるために紙の本での読書に困難さのあるかたに限定している。しかし、それでは普及につながらないため、著作権者の了承を得た上で、障害の有無に関わらず誰もが利用できる作品としてバージョン　ブルーを製作している。今では、図書館での広報などで用いられるほか、外国ルーツの子どもたちも利用できる作品として活用されている。

　2015年以降、バージョン　ブルーに「日本昔話の旅」シリーズを加えた。全国各地で語り継がれている昔話や伝説を題材にして、地域の図書館等と協同で製作。図書館が「話の選定」「文」「絵」「音訳」の手配を担当し、財団が「マルチメディアデイジー図書への編集」を行っている。バージョン　ブルーはそのほかに、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構、公益財団法人日本パラスポーツ協会等の協力を得て、ガイドブックやパンフレットをラインアップに加えている。

　2021年2月より国立国会図書館「視覚障害者等用データ送信サービス」に、わいわい文庫の作品を提供しており、2024年6月現在613作品が利用可能となっている。

【70P】

　2023年度までの12年間で製作したわいわい文庫は861作品。そのうちバージョンブルーは250作品である。

　わいわい文庫は、担当の職員が、いっさつずつどのような形で電子化するか、利用者の目線を重視しながらも、本の製作者や著作者の意図を考えて手作りしている。また、わいわい文庫の主な利用対象には日本語の習得段階にある子どもたちを想定しているため、視覚障害者の方々へ音訳を提供している全国音訳ボランティアネットワークや劇団等の協力を得て、正確な発音の温かみある肉声を付加して製作している。そして作品の校正は、読書バリアフリー研究会の参加者を中心に、障害者の読書環境の向上に関して知見のある方々にお願いして作品の品質を確保している。

　製作する作品については、子ども文庫助成事業で選んだ550冊図書リストや人気のある児童書、出版社からの推薦やアンケートによる利用者の希望等を参考に、様々なジャンルの中から選書を行っている。

【写真】全国音訳ボランティアネットワークの総会にて。全国音訳ボランティアネットワーク代表のふじたまさこさんと、元財団職員のやべたけしさんの写真。　

【写真】東京都立八王子東特別支援学校で、わいわい文庫を利用している様子。笑顔を見せる男の子が、先生が持つiPodから再生されるお話を聞いている。

####読書バリアフリー研究会

　2010ねんより、全国各地の図書館等の協力のもと、「読書バリアフリー研究会」を実施（当初の名称は「障害のある子どもたちのための読書サポート講座」、2013年「読書バリアフリー研究会」に改称）。主な対象は図書館員や学校教職員、保護者などで、読みの障害となる様々な要因について理解を深め、支援方法や活用できる機器等について専門家から学ぶ機会としている。初年度は、東京と大阪で実施し、のべ103人が参加した。2021年以降は、オンデマンド配信による研修も取り入れながら、現地会場での研究会も継続して実施している。2023年までの累計参加者数は、会場実施3,614にん、オンデマンド実施2,401にんとなった。

【写真】2019年度に東京都の国立国会図書館国際子ども図書館で実施した、読書バリアフリー研究会。多くの参加者が机に向かい、資料を見ながら講義を受けている様子。

【写真】2023年度に高知県のオーテピアで実施した読書バリアフリー研究会。多くの参加者が机に向かい、資料を見ながら講義を受けている様子。

【71P】

####わいわい文庫の利用を拡げるために

　わいわい文庫の利用促進のため、2013年から有志の特別支援学校や図書館等に利用研究を依頼し、わいわい文庫活用事例の小冊子「わいわい文庫活用じゅつ」の編集・配布を開始した。公共図書館、特別支援学校や小中学校等における活用事例紹介のほか、利用調査報告として、アンケートの集計結果と考察も掲載している。

　ほかにも、読みたい本を選ぶ手助けとして、作品の表紙を掲載した「しょえいポスター」や、全作品を項目別に分類した図書リスト「わいわい文庫エリアマップ」（物語／詩／ノンフィクション／伝記／絵本／紙芝居風／言葉／生き方／社会／戦争と平和／宇宙／地球／生き物／人の体／植物／食べ物／乗り物／スポーツ／アウトドアの19項目に分類）を作成し、わいわい文庫とともに寄贈している。また、財団のホームページにも、これらの資料やわいわい文庫の視聴作品、わいわい文庫蔵書検索ページを掲載している。

　子どもの読書や特別支援教育の関係者が集まる展示会に出展してデモンストレーションを行うことや、各種講演会に招かれた職員が事業説明を行うこともある。対面での広報・普及活動に取り組むことで、わいわい文庫の利用の機会を拡げている。

【写真】「わいわい文庫」のCDと資料いっしき（2019年版）の写真。活用じゅつや、しょえいポスター、エリアマップなど。

【写真】高森ちょうりつ高森北小学校にて、しょえいポスターを使って本を選ぶ児童の様子。読みたい本の、しょえいを指さしている。
