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###電子図書普及事業　わいわい文庫 寄贈先より②
マルチメディアデイジーの活用で拡がる子どもたちの可能性
東京都立こうめい学園　つじ なおみ
【写真】東京都立こうめい学園、つじ なおみさんの顔写真。

　伊藤忠記念財団創立50周年にあたり、謹んでお祝い申し上げます。

　私は、貴団体と関わりを持つことになった日をよく覚えています。今から10数年前に京都で行われたエイタック　カンファレンスでマルチメディアデイジー図書の普及活動をされていた矢部様、中村様に「それはどのようなものですか？」と言葉をかけたところが始まりでした。その出会いは、障害のある子どもたちにとって可能性を広げる転機になった瞬間でした。

　障害のある子どもたちにとって苦手な「文字を読むこと」「本のページをめくること」「文字が小さくて見えにくいこと」や「病室に本が持ち込めない」環境において、マルチメディアデイジー図書の存在はそれらのハードルを想像以上に低くしました。文章の読み上げは、ハイライト機能でどこを読んでいるかわかる。文字の大きさや読み上げのスピードも、それぞれの子どもたちに応じて変えることができる……など、読書活動の支援機能は子どもたちの言語活動を促すだけでなく、自分で本を読む楽しさを実感できる以上にそれまで経験することの少なかった「自分でもできた！」という自己有用感を膨らませています。

　今では、1人1台のiPadにインストールされたマルチメディアデイジー図書でどこでも本に親しめる環境が整い、授業での活用も年々増えています。また、この出会いは、経験・体験不足が否めない子どもたちに「あそこに行ってみたいなぁ」「自分もチャレンジしたいなぁ」「家でも読んでみたい」というような興味・関心や、学習への意欲を拡げることにも繋がっています。障害の軽重に関わらずマルチメディアデイジー図書を活用して、お話を届ける「お話宅急便」や「気軽に楽しむ劇活動」など様々な活動を行っていますが、主体的に生き生き楽しむ姿が見られることは嬉しい限りです。

　これも、コロナ禍の混沌とした時期に、当学園本校・分教室へのマルチメディアデイジー図書が搭載されたiPadの寄贈を始めとした貴団体の日頃からの子どもたちへのご支援や、教員への研修機会の提供などの賜物だと考えます。これまでのご支援とご協力に感謝し、今後も子どもたちの可能性を広げるために読書活動の推進と充実に努めていきたいと思います。

　これからも、子どもたちのための時代の流れにそったご活躍とご尽力を期待し、あわせて貴団体の皆様のご健勝を心よりお祈りいたします。