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###電子図書普及事業への寄稿
「わいわい文庫」から広がる読書の可能性　のぐち たけのり

専修大学文学部教授。公益社団法人全国学校図書館協議会理事長。図書館情報学を専門とし、主に読書バリアフリーや子どもの読書活動に関する研究を行う。現在、放送大学客員教授、新宿区子ども読書活動推進会議議長なども務める。主な著書に『学校の「読書バリアフリー」はじめの一歩』（学事出版、2024年）など。

【写真】のぐち たけのりさんの顔写真。

####伊藤忠記念財団と「読書バリアフリー」

　公益財団法人伊藤忠記念財団（以下、財団）の50周年、誠におめでとうございます。読書バリアフリーを専門とする筆者と財団との最初の関わりは、マルチメディアデイジー形式の電子図書「わいわい文庫」の製作と寄贈の事業（電子図書普及事業）が始まる2010年前後のことでした。以来、電子図書普及事業を中心にお世話になっております。

　財団が50周年を迎える2024年は、「読書バリアフリー法」（視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律）制定5周年でもあります。「読書バリアフリー法」制定によって、「読書バリアフリー」という言葉は、かなり浸透したように思います。2023年に『ハンチバック』で第169回芥川龍之介賞を受賞されたいちかわさおうさんが「読書バリアフリー」の推進を訴えたことで、一層浸透したように思います。しかし、財団では、2010年から毎年各地で「読書バリアフリー研究会」を開催するなど、他に先駆けて「読書バリアフリー」を掲げて事業を展開してきました。その先見性には驚くばかりです。

####「わいわい文庫」の意義と必要性

　紙の図書を読むことに困難を感じる人は年齢問わず少なくありません。読むことに困難を感じる理由は、（1）視覚障害や発達障害、肢体不自由などにより「視覚による表現の認識が困難」なため、（2）外国にルーツのある人など第一言語が日本語ではないため、（3）読み書きを習う機会をいっしてしまったため、などさまざまです。

　このうち、5年前に制定された「読書バリアフリー法」が対象としているのは、（1）に該当する人々です。「著作権法」では、（1）に該当する人々のためであれば、どのような図書でも、その図書の著作権者に無許諾で、全国の図書館や文化庁の指定団体は音声化や電子化などの複製（媒体変換）と公衆送信を行えると規定しています（著作権法第37条第3項）。

　財団は、文化庁の指定団体になっています。「わいわい文庫」には「白い盤面」と「青い盤面（以下、バージョンブルー）」の2種類の作品群がありますが、「白い盤面」の作品群はこの「著作権法」の規定により製作されています。そのため、「白い盤面」の作品群は、（1）に該当する人々だけが利用できることになります。一方で、「バージョンブルー」の作品群は、著作権者に許諾をとって製作した作品や財団のオリジナル作品のため、（2）や（3）に該当する人々を含むすべての人々が利用できます。このように、読書から「誰一人取り残さない」を意識して製作されているのが財団の「わいわい文庫」なのです。

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　子どもを例にみると、（1）に該当する子どもは、特別支援教育を受けているか、そのニーズのある子どもと大きく重なります。しかも、その人数・割合は、ここ10年で2倍に増加しています（図1）。また、（2）に該当する日本語指導を受ける外国にルーツのある子どもも増加傾向にあります（図2）。

　このような子どもの現状を受けて、文部科学省が2016年に全国の教育委員会等に通知した「学校図書館ガイドライン」には次のような記述があります。「発達障害を含む障害のある児童生徒や日本語能力に応じた支援を必要とする児童生徒の自立や社会参画に向けた主体的な取組を支援する観点から、児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じた様々な形態の図書館資料を充実するよう努めることが望ましい。例えば、点字図書、音声図書、拡大文字図書、LLブック、マルチメディアデイジー図書、外国語による図書、読書補助具、拡大読書き、電子図書等の整備も有効である」（下線は筆者による）。「わいわい文庫」のようなマルチメディアデイジー形式の電子図書の整備が有効であると明示されています。また、「読書バリアフリー法」の内容もふまえて、政府が2023年に閣議決定した「第五じ子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」では、基本的方針の1つに「多様な子どもたちの読書機会の確保」を位置づけました。ここでも、具体的な取り組み内容として電子図書の整備・充実が挙げられています。

　マルチメディアデイジー形式の電子図書は、電子図書のなかで最もアクセシビリティが高いとされています。音声読み上げ、読み上げ部分の文章のハイライト、文字の拡大、背景しょくの変更など、利用する人々のニーズにあわせて自在に対応できます。アクセシビリティの高さから、いま整備・充実が望まれているのです。

【図1】　特別支援教育を受ける子どもの状況。出典：内閣府「令和5年版障害者白書」2023年。

特別支援学校等の児童生徒の増加の状況（2012から2022）

直近10年間で義務教育段階の児童生徒数は１割減少する一方で、特別支援教育を受ける児童生徒数は倍増。

特に、特別支援学級の在籍者数（2.1倍）、通級による指導の利用者数（2.5倍）の増加が顕著。

義務教育段階の全児童生徒数は、2012年度1,040万にんから2022年度952万にんに減少（0.9倍）。

特別支援教育を受ける児童生徒数は、2012年度30.2万にん（義務教育段階の全児童生徒数の2.9％）から2022年度61.8万にん（義務教育段階の全児童生徒数の6.5％）に増加（2.0倍）。

特別支援教育を受ける児童生徒数の内、特別支援学校（視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、病弱・身体虚弱）の生徒数は、2012年度6.6万にん（義務教育段階の全児童生徒数の0.6％）から2022年度8.2万にん（義務教育段階の全児童生徒数の0.9％）に増加（1.2倍）。

特別支援教育を受ける児童生徒数の内、小学校・中学校の特別支援学級（知的障害、肢体不自由、身体虚弱、弱視、難聴、言語障害、自閉症・じょうちょ障害）の生徒数は、2012年度16.4万にん（義務教育段階の全児童生徒数の1.6％）から2022年度35.3万にん（義務教育段階の全児童生徒数の3.7％）に増加（2.1倍）。

特別支援教育を受ける児童生徒数の内、小学校・中学校の通常の学級（通級による指導）（言語障害、自閉症、じょうちょ障害、弱視、難聴、LD、ADHD、肢体不自由、病弱・身体虚弱）の生徒数は、2012年度7.2万にん（義務教育段階の全児童生徒数の0.7％）から2022年度18.2万にん（義務教育段階の全児童生徒数の1.9％）に増加（2.5倍）。

注：通級による指導を受ける児童生徒数（18.2万にん）は、最新の調査結果である2021年度通年（こっこう私立）の値を用いている。なお、2012年度の通級による指導を受けている児童生徒数（7.2万にん）は、5月１日時点（公立のみ）の値。 

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【図2】　日本語指導が必要な外国にルーツのある子どもの状況。出典：文部科学省「日本語指導が必要な児童生徒の、うけいれ状況等に関する調査結果の概要（速報）」2022年。

平成20年度＝合計28,575にん。内訳は、ポルトガル語＝11,386にん、中国語＝5,831にん、フィリピノ語＝3,367にん、スペイン語＝3,634にん、その他の言語＝4,357にん。

平成22年度＝合計28,511にん。内訳は、ポルトガル語＝9,477にん、中国語＝6,154にん、フィリピノ語＝4,350にん、スペイン語＝3,547にん、ベトナム語＝1,151にん、英語＝717人、韓国・朝鮮語＝751人、その他の言語＝2,364にん。

平成24年度＝合計27,013にん。内訳は、ポルトガル語＝8,848にん、中国語＝5,515にん、フィリピノ語＝4,495にん、スペイン語＝3,480にん、ベトナム語＝1,104にん。英語＝644人、韓国・朝鮮語＝624人。その他の言語＝2,303にん。

平成26 年度＝合計29,198にん。内訳は、ポルトガル語＝8,340にん、中国語＝6,410にん、フィリピノ語＝5,153にん、スペイン語＝3,576にん、ベトナム語＝1,215にん。英語＝777人、韓国・朝鮮語＝614人。その他の言語＝3,113にん。

平成28年度＝合計34,335にん。内訳は、ポルトガル語＝8,779にん、中国語＝8,204にん、フィリピノ語＝6,283にん、スペイン語＝3,600にん、ベトナム語＝1,515にん。英語＝982人、韓国・朝鮮語＝627人。その他の言語＝4,345にん。

平成30年度＝合計40,755にん。内訳は、ポルトガル語＝10,404にん、中国語＝9,712にん、フィリピノ語＝7,919にん、スペイン語＝3,788にん、ベトナム語＝1,845にん。英語＝1,106にん、韓国・朝鮮語＝595人。その他の言語＝5,386にん。

令和3 年度＝合計47,619にん。内訳は、ポルトガル語＝11,956にん、中国語＝9,939にん、フィリピノ語＝7,462にん、スペイン語＝3,714にん、ベトナム語＝2,702にん。英語＝1,945にん、日本語＝1,929にん、韓国・朝鮮語＝466人。その他の言語＝7,506にん。

####「わいわい文庫」の普及状況

　では、マルチメディアデイジー形式の電子図書の普及状況はどうなっているのでしょうか。地域の公共図書館における所蔵率の推移は、ひょう1の通りです。財団が「わいわい文庫」の製作に着手し始めた2010年はわずか1.3％の所蔵率でしたが、その後、着実に増加しています。ここには、「わいわい文庫」の寄贈が大きく寄与していることは間違いありません。

【ひょう1】　公共図書館におけるマルチメディアでいじー所蔵率の推移

調査年　2010年　所蔵率　1.3％　2017年　15.4％　2021年　21.4％

（2010年と2017年は国立国会図書館調査、2021年は全国公共図書館協議会調査）

　また、学校種別に学校図書館における所蔵率（2020年）をみると、ひょう2の通りです。特別支援学校（小学部）では、4分の1の学校で所蔵されていることがわかります。これも財団による「わいわい文庫」寄贈の効果といえるでしょう。先に紹介した図1の通り、小学校などでも特別支援教育を受ける子どもは増加しています。しかし、小学校などでは、まだ所蔵が無いに等しい状況です。小学校などでは、2019年に打ち出された「GIGAスクール構想」を受けて、すでに1人1台端末の環境が整いました。つまり、マルチメディアデイジー形式の電子図書を利用しやすい環境が整ったわけです。ところが、端末というハードは整っても、電子図書というソフトがまったく足りていない現状にあるのです。

【ひょう2】　学校図書館におけるマルチメディアでいじー所蔵率（2020年）

学校種　小学校　所蔵率　1.3％　中学校　1.0％　高等学校　0.6％　特別支援学校（小学部）　25.8％

出典：文部科学省「令和2年度「学校図書館の現状に関する調査」の結果について」、2021年

　公共図書館、学校図書館ともに、マルチメディアデイジー形式の電子図書の一層の整備・充実が望まれます。ここに資する「わいわい文庫」への期待はますます大きくなっていくものと思われます。

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####「わいわい文庫」の展望

　これまでの「わいわい文庫」は、CD形態で公共図書館や学校図書館に寄贈してきました。しかし、こんにちの多くの端末、特に学校で子ども1人ずつが持つタブレット端末には、CDドライブが付いていません。そのため、財団が毎年行っている「わいわい文庫」利用者を対象としたアンケートでは、ここ数年、「わいわい文庫」のオンライン配信を望む声が増えています。

　すでに2021年度からは国立国会図書館の「視覚障害者等用データ送信サービス」（図3）というオンラインサービスによって「わいわい文庫」の「白い盤面」の作品群が配信されています。ただし、このサービスを利用できるのは、本稿ですでに述べた（1）の「視覚による表現の認識が困難」な人々に限られます。また、利用したい公共図書館や学校図書館は国立国会図書館に申請して承認を受ける必要があります。そのため、もっと簡便に利用できる配信システムがほしいとの意見も聞かれます。「わいわい文庫」にアクセスできるルートが増えれば、それだけ利用の可能性も高まりますから、ぜひ「わいわい文庫」のオンライン配信の検討を進めてほしいと思います。

【図3】　「視覚障害者等用データ送信サービス」のしくみ。出典：国立国会図書館ウェブサイト

国立国会図書館が、公共図書館、大学図書館、学校図書館、ボランティア団体などからデータを収集し、送信承認館を通じて、視覚障害者等利用者にデータを提供するしくみ。国立国会図書館から視覚障害者等利用者へ直接データを送信する経路もある。

　ところで、2020年にコロナかになって以降、全国の公共図書館や学校図書館では急速に電子図書館の導入が進んでいます。ひょう3は、公共図書館における導入率の推移を示しています。間もなく5割に迫ろうという導入率です。電子図書館は、利用対象者を限定することなく、希望すれば誰でも利用できます。このことは、「わいわい文庫」の「バージョンブルー」の作品群と同じです。

【ひょう3】　公共図書館における電子図書館導入率の推移

調査ねん 2019年 導入率 10.2％ 2020年 12.8％ 2021年 26.9％ 2022年 34.3％ 2023年 45.1％

（一般社団法人電子出版制作・流通協議会による各年調査）

　こうした状況にあって、「わいわい文庫」の存在意義は低下してしまうのでしょうか。筆者はそうは思いません。その理由はいくつかあります。電子図書館で利用できる電子図書は、マルチメディアデイジー形式ではないので、音声読み上げなどが可能な作品がまだ少ない現状です。また、音声読み上げができる作品も、機械による合成音声（TTS）での読み上げのため、特に子どもの利用にはあまり向きません。やはり、アクセシビリティを考慮するならば、「わいわい文庫」などのマルチメディアデイジー形式の電子図書の存在はこれからも変わらず必要なのです。

　とはいえ、両者は対立する関係にあるわけではありません。今後は、誰でも利用できる電子図書館に、同じく誰でも利用できる「わいわい文庫」の「バージョンブルー」の作品群を搭載して配信していくなどの取り組みも考えられるでしょう。

　読書から「誰一人取り残さない」バリアフリー社会の実現に向けて、財団にはこれからも「わいわい文庫」をはじめ各種事業を積極的に展開してほしいと願っています。これからもどうぞよろしくお願いいたします。