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###電子図書普及事業 座談会

2010年より実施してきた「障害のある子どもたちへの読書支援事業」。この事業の軸となる「わいわい文庫」の意義と今後の課題について、音訳者や現場で活用に取り組む方々をお招きし、お話をうかがった。

2024年8月22日（木）

伊藤忠商事東京本社ビル22階レセプションホール

【写真】電子図書普及事業座談会出席メンバーの集合写真。後列左から、いそぐちさん、なりまつさん、ふじたさん、前列左から、宮下さん、いりかわさん、なまいさん。

####「わいわい文庫」【注釈1】との関わり

池辺　本日はお忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。伊藤忠記念財団（以下、財団）は、今年9月30日で設立50周年を迎えました。この記念すべき年に、2010年からスタートした電子図書普及事業部の活動を振り返るとともに、これまで「わいわい文庫」に関わっていただいた皆さんと、いろいろな意見を交換させていただければと思っています。

　本日は5人の先生がたにお集まりいただきました。また、財団で「わいわい文庫」の製作に携わっている中村、山根も出席しております。そして、司会進行は電子図書普及事業部立ち上げの時からご協力いただいている読書工房の成松さんにお願いしております。

　それでは成松さん、進行をどうぞよろしくお願いします。

成松　成松一郎と申します。2004年に読書工房という出版社を始めて、今年でちょうど20年になります。それまでは、いろいろな出版社で編集の仕事をしてきたのですが、思うところがあり、読書バリアフリーを専門とする会社を立ち上げました。

　「わいわい文庫」が誕生するきっかけは、2009年ごろのことです。財団が運営されていた東京小中学生センター【注釈2】が閉鎖されることになり、今後どんな事業をしていったらいいだろうかというご相談を受けました。当時、筑波大学附属視覚特別支援学校のうのかずひろ先生がよくテレビに出演し、弱視の子どもたちが使う拡大教科書の不足を訴えていた時期でした。財団では文字を読みやすい大きさに書き直す拡大写本を製作する構想があったようですが、私は、電子媒体にしたほうがいろいろな子どもたちにとって役に立つのではないかというお話をしました。その結果、マルチメディアデイジー図書（以下、マルチメディアデイジー【注釈3】）を作るということになり、そこからかなりのタイトル数を毎年寄贈する事業がスタートしたというわけです。

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　本日ご出席いただいている皆さんも「わいわい文庫」に関わってこられていますので、これからそれぞれの自己紹介とともに「わいわい文庫」についてお話を伺えればと思います。

【写真】有限会社読書工房代表　なりまつ いちろうさんの写真　

藤田　全国音訳ボランティアネットワークの藤田　まさこ、と申します。私たちの会は2006年に、全国で音訳ボランティアとして活動している仲間に一度会いたいね、という思いから始まりました。全国大会には900人近いかたから参加希望があったのですが、会場の関係で800人に絞って開催しなければなりませんでした。その熱気に押されて、2007年にはネットワークの設立総会を開き、今に至っています。

　最初、東京小中学生センターに集まって障害のある子どもたちのための電子図書を作るというお話を伺った時は、「マルチメディアデイジーって何？　私たちは音訳よね」という話をしていたのですが、「子どもたちのため」というキーワードに共感し、「それならやらなくては」とお手伝いをさせていただくことになりました。ただ、それまで音訳は視覚障害者の大人向けが中心で、子ども向けや他の障害があるかた、むけに作ったことがなかったので、どんな読み方をしたらいいのか探るのが一番大変でした。音訳というのは、意味のひとかたまりで読むんですね。そうしないとプツプツ途切れてとても聞きにくい。でも、子ども向けの場合は句読点でしっかり区切るという方針があったので、それで本当に子どもたちが喜んで聞いてくれるのかな、という悩みを抱えながら続けてきました。

　それでも、「子どもたちの笑顔のために」という、やべたけしさん（前電子図書普及事業部長）の熱い思いに引っ張られて、ずっとご一緒させていただいています。

みやした　墨田区立ひきふね図書館で障害者サービスを担当している宮下　ひでみ、と申します。墨田区には、ひきふね図書館を含めて4つの図書館と3つのコミュニティー会館、1つの情報コーナーがあります。ひきふね図書館は中央館としての役割を担っており、財団さんから寄贈いただいた「わいわい文庫」を活用させていただいています。貸し出しはもちろんのこと、「日本昔話の旅」【注釈4】にも参加させていただき、活用事例を「わいわい文庫活用じゅつ」【注釈5】に載せていただいたこともありました。

　私は図書館勤務が4年目で、それまでは全く違う部署にいたので、最初はマルチメディアデイジーについて何も知りませんでした。初めてマルチメディアデイジーを使ったおはなし会を見たのは、放課後等デイサービスだったのですが、天井にプロジェクターでマルチメディアデイジーを投影させて、座位が保てない子たちもみんなで楽しんでいる様子を見て「こんなふうに一緒に見られるんだ、すごいな」と思ったことを覚えています。

　現在は、LLブックや大活字本、仕掛け本や布の絵本をセットにして「りんごの棚」として展示しています。そこにマルチメディアデイジーを置いて、バージョンブルー【注釈6】の一般の貸し出しもさせていただいています。また、夏休みに向けて読書支援が必要な子どもさんと保護者の方を対象に1組45分間ほどの図書館ツアーを行い、最後に何でも1つ好きなマルチメディアデイジーを選んで親子で一緒に見てもらっています。写真や図鑑が好きと言っていたお子さんが、意外にも物語の絵本を選んで最後まで読めたので親御さんがびっくりしていたのが印象的でした。

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　図書館ではマルチメディアデイジーをCD媒体で貸し出しているのですが、今はCDを再生できる機器が少なくなってきており、その利用が難しくなっています。「サピエ図書館」【注釈7】や「デイジー子どもゆめ文庫」【注釈8】をご案内しても、継続的な利用に結びつかないことが多く、この点が悩みですね。

入川　入川加代子と申します。私は現在、鳥取大学附属特別支援学校で司書をしています。以前は県立聾学校に勤務していました。現任校で以前、司書教諭をされていたこじまようこ先生からお声がけいただき着任、マルチメディアデイジーに出会いました。児島先生はマルチメディアデイジーを使った授業実践をしておられて、私は初めてティーム・ティーチングとして授業に参加しました。その後も司書教諭と連携して授業実践に取り組んでいます。先生がたは、生徒に分かりやすくて楽しめる内容かどうか、発達年齢相応なものか、取り組みやすさ等を考えマルチメディアデイジーを選ばれています。

　実際にマルチメディアデイジーを使った授業は、生徒たちの反応が大きく、楽しく学習している様子が見受けられます。

　司書の役割は、主にマルチメディアデイジーの紹介や関連本のブックトークなどですが、図書館にいるときとは違う生徒の様子が分かる貴重な時間となっています。中学部では物語や詩、実験や体験できるものなど、主に授業での活用が中心です。

　小学部では、短いおはなしが人気です。昼休憩に図書館へ来て、気に入った絵本のマルチメディアデイジーを自分でパソコンに入れて、おはなしを楽しむ姿があります。パソコン操作にも慣れ「また、これが見たいんだよねー」と同じおはなしを繰り返し楽しんで見ています。すっかりセリフを覚えるまでになりました。シリーズものが大好きで、「このおはなしのマルチメディアデイジーはないの？」とリクエストもしてくれます。新年度に行う「図書館オリエンテーション」では、必ずデイジーの紹介をするのが定番です。新しく学校に入学した児童、生徒はデイジーを知らないので、画面に映すと興味深く、じっくりと見てくれています。本校では「わいわい文庫」をすべてCDに分割しています。

　司書が分割していたのですが、現在は高等部の作業班に一部を依頼しています。先生がたは「いい作業内容なのでぜひやらせてください」と言ってくださり、とても助かっています。

　一方で、苦労しているところもあります。校内での授業や余暇では活用されているマルチメディアデイジーですが、本と同じようには貸し出しができていません。もっと気軽に借りてもらえるような図書館側の工夫が必要だと思っています。また、今後は保護者さん、職員向けの研修会などを計画し、もっとデイジーの良さを広めていければと考えています。

【写真】富田林市立大伴小学校講師　いそぐち たえこさんの写真　

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磯口　磯口多恵子です。私は大阪の富田林市立おおとも小学校で通級指導教室を担当して6年目になります。その前はおお伴小で支援学級を、さらにその前は通常学級を担当していました。「わいわい文庫」との出会いは、支援学級を持っていた時に、元大阪教育大学の金森裕治教授のマルチメディアデイジー研究会に参加したことがきっかけです。「こんなにいいものが無料でもらえるのか」と、すぐに取り寄せて活用を始めました。

　現在、大伴小学校の支援学級は８クラスあり、自立活動として図書の時間に「わいわい文庫」を活用しています。また、通級指導教室では1対1や少人数での指導に利用しています。毎年送られてくるCDは職員会議で紹介し、私の机の上に置いて先生がたが手軽に手に取れるようにしています。さらに、最近では読みに困難さのある子どもたちが「わいわい文庫」を持ち帰り、「本読み」の宿題として活用している学校もあると聞き、いろいろな使い方ができるんだなと思いました。保護者の方からは、課題図書が「わいわい文庫」にあるといいのに、と言われています。

　富田林市には16校の小学校と8校の中学校がありますが、昨年からすべての学校に通級指導教室が設置されました。 私は夏季研修で「わいわい文庫」を紹介するコーナーを担当していますが、毎年新しい先生が来られて、「マルチメディアデイジーって何？　わいわい文庫って何？」という人が何人もおられるので細く長く続けていかなければならないと思っています。富田林市は２年前から日本障害者リハビリテーション協会のマルチメディアデイジー教科書を使えるようになったので、マルチメディアデイジーの存在が情報として知れわたったことがよかったのだと感じています。

　ただ、アイ、シー、ティーが得意な先生がいる学校では活用できていますが、そうでないところはCDがうまく作動しないなど、なかなか使いにくいという声もあります。そういう点の解決を図ってもらえたらありがたいです。

【写真】鳥取大学附属特別支援学校司書　いりかわ かよこさんの写真

なまい　東京都立しかもと学園の、なまい　すみこと申します。前任校のぼくとう特別支援学校でマルチメディアデイジーを知り、「こんないいものがあるんだ」と財団さんに連絡したところ、矢部さんがひょいと来てくださり、すごくお世話になりました。

　最初は分からないことも多く、小さなチラシを作り、「図書館にはこんなものがありますよ、使ってみませんか」と先生がたに宣伝する小さな活動から始めました。自分でも、言葉でコミュニケーションができるお子さんの学習グループの担任の時に、劇学習の導入として子どもたちに分かりやすいかなと思って使っています。それから、給食時間の医療的ケアの時など、子どもたちはぼんやりと天井を見ているか寝ていることが多かったのですが、マルチメディアデイジーを見せて「どれにする？」と言って選択の勉強にもできたり、目の動きに合わせて速さや音声を変えたり、いろいろと工夫をして活用していました。

　一番の関わりとしては、重いまひがあるものの知的にはノーマルなお子さんが本校にいて、百人一首を学習した時のことです。このお子さんは、百人一首はやりたいが札を取ることができない。でも100枚の札を大きくしたら大変なことになってしまう。そこで矢部さんに相談したところ、特別支援学校の子どもたちが札を読み、都立高校の美術部の生徒さんたちが絵を描くという、大掛かりなマルチメディアデイジーを作ってくださいました。それを使ったお子さんが、まさか現実になるとはとびっくりしてとても喜んでいる姿が本当に印象的でした。そんなこともあって、マルチメディアデイジーが肢体不自由の子どもたちにとって必要だということが少しずつ根付いてきたのかなと思っています。

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　コロナの時期は分散登校になり、子どもの数に対して大人の数が少なくて授業がまともにできない状況でした。その時もマルチメディアデイジーは大活躍しました。子どもたちに「今日はどれにする？　その続きの本は図書館にあるよ」と投げかけた上で、本は持って帰ってもいいということにして活用できました。

　現在勤務しているしかもと学園は、活発に図書活動をしている学校なのですが、都立特別支援学校には司書がいないので教員が頑張るしかなく、図書館に情熱を注ぐのがなかなか難しくなり、宣伝がうまくできていません。「わいわい文庫」を毎年送っていただくのですが、活用しきれないまま1年が過ぎてしまっています。余暇の利用として、スクールバスで移動中にタブレットを使ってマルチメディアデイジーを見られたらいいなと思っています。めくるのが難しい子どもたちにとって、耳からの読書になるし、マルチメディアデイジーは絵も付いているので想像力が豊かになるだろうなと思いつつも、なかなか進まないのが現状です。

　本校も今年初めて教員向けに図書館の使い方研修を行いました。マルチメディアデイジーの必要性を感じているので「こういう図書もありますよ」と広めていけたらいいなと思っています。

【写真】全国音訳ボランティアネットワーク代表　ふじた まさこさんの写真

####「わいわい文庫」の面白さと難しさ

成松　入川さん、磯口さん、生井さんにお聞きしますが、それぞれの学校では公共図書館とのつながりはどうですか。

入川　鳥取県は公共図書館の学校図書館支援が手厚く、図書の相互貸し借りができます。

磯口　富田林市の図書館では、クラスえの貸し出しや調べ学習の支援資料の貸し出しを行っています。また、1年生へのオリエンテーションでねん1回来校され、図書館クイズや利用方法の説明、読み聞かせをしてくれています。さらに、読んだ本を記録していく「読書通帳」を発行しており、50冊読むと1冊の通帳が完成し、富田林市のキャラクターシールがもらえるということもやっています。

生井　本校は江戸川区の中央図書館を利用しています。肢体不自由部門の小学１年生が社会見学で訪問し、おはなし会やバックヤード見学を行っています。また、ヤングアダルト、コーナーの冊子やポスターを学校に送ってもらい、スクールバス玄関に掲示して宣伝しています。さらに、中学部の「準ずる教育課程」の子どもたち向けに、調べ学習の支援やブックトークをしていただいています。

成松　宮下さんの図書館では学校へどんなアプローチをしていますか。

みやした　ひきふね図書館では、特別支援学級や放課後とうデイサービスにバリアフリー図書を30冊、りんごの棚として団体貸出しています。その際、先生のリクエストに応じて、電車や工作、語彙力向上のためなど、子どもの興味や学習ニーズに合った本を選び、数カ月に1回入れ替えています。

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成松　図書館のりんごの棚の中で、「わいわい文庫」やマルチメディアデイジーも扱われていますか。

みやした　「わいわい文庫」のバージョンブルーは一般のところに配架できるので、マニュアル付きでCDジャケットが見えるように面出ししています。皆さん何回か手に取ってくださるんですが、しばらくすると途切れてしまいます。なぜかというと、「わいわい文庫」は絵本が中心なので、絵本では物足りなくなった場合のタイトルが少ないからです。今は「デイジー子どもゆめ文庫」が出てきましたが、ブラウザ型なので図書館では配架できない。図書館自体でそれ以上の本をマルチメディアデイジーで用意するのは難しいという課題が生じています。

成松　音訳者の立場でも、「わいわい文庫」に関わることになって面白さや難しさを感じられていると思いますが、藤田さんいかがですか。

藤田　マルチメディアデイジーの音源を作る人は、当時、私が信頼できるベテランの音訳者を集めました。子どもたちには安定した音源を届けたいという思いが強かったですね。

　音訳には「この人はすごく上手だ」という明確な基準が存在するわけではありません。分かりやすい読み方ができる人もいれば、そうでない人もいます。また、音訳と朗読を対立するものと捉える人もいますが、実際には音訳が上手な人ほど、朗読に非常に近い読み方ができるものです。こうしたことがまだ十分に理解されていない現状があります。

　今は音訳者の高齢化が進んでいて、将来的にどのように続けていくかが課題です。生成エー、アイがものすごく進化していて、もう何年かしたら取って代わられるかもと思うぐらいです。でも、子どもたちには温かみのある肉声で、正しいきれいな日本語を届けたいという思いがあります。

　私たち音訳者は、主に視覚障害者の方たちのために音訳をしてきたので、利用者の声を直接聞く機会を得ることができました。しかし子どもたちからは直接聞くことができません。それがすごくジレンマです。でも、「わいわい文庫活用じゅつ」をいただいて、学校での活用事例を見ることができて、「間違っていなかったかな」「あれでよかったのかな」とか、「こうすればよかった」というのを勉強させていただき励みになっています。子どもたちの声が直接聞けない分、すごくありがたいなと思っています。

成松　「わいわい文庫」のような子ども向けは、いわゆる「音訳」とは違いますか。

藤田　そうですね。矢部さんから「もう少しはじけたらどうでしょう」と言われたことがあります。それを音訳者の皆さんにも伝え、声に表情をつけるようにしてきました。ただ、長年の音訳の経験を変えるのは難しく、「こんな読みでいいんですか」という声も上がりました。

　でも、『おおきなかぶ』（A・トルストイ再わ、うちだりさこ訳、さとうちゅうりょう画、福音館書店、1966年）の「よいこらしょ、うんとこしょ」を、淡々と読んでも面白くありませんよね。読みの表情を豊かにする必要性を感じつつも、変化には時間がかかると実感しています。それでも、子どもたちが楽しめるように工夫を重ねていきたいと思います。

　以前、鹿児島で教諭をされている、まつだひとみ先生から「わいわい文庫は、藤田さんたち音訳ボランティアがいるからできるんですよね」と言っていただいたことがあって、こうしたフィードバックが私たちの大きな励みになっています。

【写真】東京都立しかもと学園教諭　なまい すみこさんの写真

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成松　「わいわい文庫」に収録されている作品の中でこれはよかったというものはありますか。

入川　バージョンブルーに収録されている方言を使った「日本昔話の旅」シリーズが好評です。授業や余暇でもよく利用されています。中学部、高等部の生徒がおはなしを聞いて、「地方の方言が面白かった」と話してくれました。『蜘蛛の糸』（あくたがわりゅうのすけ作・とうやましげとし絵、偕成社、1994年）も先生がたの利用が多いマルチメディアデイジーです。絵本が原作だと７～８分程度で、生徒も集中を切らさず見聞きできます。短い中にも「怖さ」や「教訓」が詰まっています。また、声色使いがとても上手くて、「恐怖感」もしっかり伝わっていたようです。以前より、読み手の方々のレベルが上がって、喜怒哀楽の感情がすごく伝わってくる印象です。本当にありがとうございます。

成松　バージョンブルーについては、財団の方たちがいろいろな企画を立てて作っていますね。オリジナル作品なので、公共図書館にとっても非常にありがたい存在ですよね。

みやした　そうですね。私が拙い説明をするよりも、「マルチメディアデイジーって何？」と聞かれた時には誰でも見られるバージョンブルーを実際に見せています。以前、職員研修で『海の中のかくれんぼ』（はやしとしあき写真・文、伊藤忠記念財団、2015年）を投影して見せた時も、知らなかったという先生もいて反応がとてもよかったです。

成松　将来的に「こんな内容のものがあったらいい」というアイデアがあれば、ぜひ共有してください。

みやした　参加型のものが欲しいですね。『海の中のかくれんぼ』やリズムに乗れる『ぱぱんがパン！』『おにぎりおむすび』（共に、伊藤忠記念財団製作、2014年、2017年）など、すごくいいですよね。

入川　クイズは面白いですね。

磯口　今年の活用じゅつにも書かせてもらったのですが、クイズの答えを聞いて、「そうだと思ったんだよ！」と言いながら楽しそうに何度も挑戦しているのを見て、すごくいいなと思いました。うちでも『ぱぱんがパン！』のような作品が非常に人気です。また、地方の昔話や方言を取り入れた作品も好評です。標準語と方言の両方があるのがいいですね。

入川　以前、司書教諭が中学部の授業で絵本制作をし、完成したオリジナル絵本のマルチメディアデイジー化に取り組んだことがあります。生徒たちが音声を録音するところまでで終わっていたところ、財団さんに協力していただき完成しました。生徒たちにとって大変いい活動になりました。

成松　「日本昔話の旅」の取り組みは画期的でしたね。地元の方々に絵を描いてもらい、それを集めて47都道府県すべてをそろえるというのは、非常にご苦労があったと思います。財団で長年「わいわい文庫」を製作してこられた中村さん、そのへんいかがですか。

中村　そうですね。全国の県立図書館や市立図書館、さらに地域の大学や家庭文庫などに協力していただきながら進めました。

入川　郷土色を取り入れた作品は、とてもいいと思います。

【写真】墨田区立ひきふね図書館職員　みやした ひでみさんの写真

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####子どもたちの読書環境を良くしていくために

成松　本日のテーマの一つに「『わいわい文庫』によって、子どもたちの読書が変わったこと」がありますが、マルチメディアデイジーに限らず、子どもたちの読書環境は大きく変わってきていると思います。特に、不読率の増加という問題があり、1冊も本を読まない子どもが増えている現状を踏まえ、読書をどう考えていくかというテーマが成り立つと思います。

　今年の春、読書工房で大きな文字の『ぼくらの七日間戦争』（そうだおさむ著・はしもとしん絵、読書工房めじろーブックス・大きな文字の角川つばさ文庫、2024年）を出版したのですが、普段ほんを読まない支援級の子どもが1巻目を完読し、続きを読みたいと言ってくれたという話を聞きました。このように、電子図書や大きな文字の本など、子どもたちが本に触れるための「きっかけ」は存在するのではないかと思います。このテーマについて、特に現場で子どもたちと直接関わっている皆さんから、エピソードやお考えを伺いたいと思います。

生井　本校では、外部からおはなし会をしてくださるかたを呼んで、月2回おはなし会を開催しています。このおはなし会は、学級単位や学習グループ単位など、少人数の集団で行います。教室におはなしをしてくださるかたが来て、その子どもたちに合ったプログラムでおはなし会を展開しています。私の担当しているお子さんは、どんな絵本を読んでも笑わないし、目が違うところに行ってしまいなんとなく楽しめていない雰囲気がありました。そこで、おはなし会の方に、この子が楽しめる本を１冊でも探したいと伝え、しばらく同じ本を導入として読むことにしました。それが授業でもやったことのある『ぞうくんのさんぽ』（なかのひろたか作・絵、なかのまさたかレタリング、福音館書店、1977年）という本だったのですが、最初は「ぽかん」として、何が面白いか分からないという様子でした。ところが、何回も読んでいくうちに、ぞうくんが「ああっ」という場面で笑えるようになったんです。笑えるようになってからは、ここでこうなるんだよねと目配せをしながら楽しめるようになりました。本校には言語聴覚士や臨床心理士などの外部専門員が来ているのですが、その方たちにこのエピソードを話すと、おそらく小さい頃に絵本の楽しみを共有する機会がなかったために絵本をどう見ていいか分からないし、どう表現していいのかも分からないのではないかと言われました。この『ぞうくんのさんぽ』をきっかけに、みんなと同じところで笑えるようになって、やっと読書の第いっぽを踏み出せたのではないかと思います。「きっかけづくり」が人の声だったり、マルチメディアデイジーだったりしても、すごく大事なことだなと、改めて彼から学んだと思っています。

【写真】座談会の様子。左から中村、山根、藤田さん、宮下さん、入川さん、生井さん、成松さん、池辺の順に半円になって座り、意見を交わしている。

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藤田　私は今、川崎市立の小学校と関わっていて、校長先生に「わいわい文庫」のことを話しています。特別支援学級の先生と話をする機会を設けてくださり、その先生も「マルチメディアデイジーについて勉強したい」と言ってくださいました。活用じゅつや「わいわい文庫」のCDをお見せしましたが、やはり熱心な方がいないと広がっていかないと感じています。今日の先生がたのお話を聞いていても、そこに熱心な方がいるから、活動が広がるんだなと改めて思いました。私もサポーターの一人として、広めていきたいと思います。

成松　熱心な一人をいかに増やしていくか、ですね。

藤田　そうです。矢部さんもよく「仲間づくりが大事」とおっしゃっていました。まだ「マルチメディアデイジー」を知らないかたや、必要としているお子さんがいるということを知らないかたも多いので、少しずつ裾野を広げていけたらと思います。

成松　「わいわい文庫」の寄贈数は、普通校564校、公共図書館393かん、特別支援学校337校、その他が125団体、計1,419団体（2024年4月現在）という数字になっていますね。全国の公共図書館は約3,300かんあり、そのうち1～2割くらいが障害者サービスをやっていると言われているので、納得する数字ですが、もっと伸びてほしいなと思います。

　普通校は全国に数万校あるので、寄贈数564校は少ないですね。これは熱心な先生が異動してしまうと使われなくなるということがあるかもしれません。

中村　そうですね。特別支援学級や通級の先生が個人で管理する場合、異動時に行方不明になるケースもあります。一方で、学校図書館が管理しているところでは安定して利用されているように思います。　

【写真】伊藤忠記念財団 電子図書普及事業部 職員　なかむら のぶゆきの写真

　みやした　寄贈されるのは「バージョンブルー」だけでなく、すべての「わいわい文庫」ということですか。

中村　はい。基本的に「わいわい文庫」はセットでお送りしています。バージョンブルーは普及のきっかけとして使っていただいていますが、その先にある障害者サービスにつなげてほしいという思いがあります。

成松　寄贈数は毎年安定している印象ですが、やっぱりもう少し増えてほしいですよね。

みやした　特別支援学校が全国で増えていることを考えると、もっと広がってもいいかなと思います。

成松　そうですね。今のところ特別支援学校は東京都では、ろくじゅっ校以上ありますが、そのうち「わいわい文庫」を使っているのは約30校と聞きました。そこが先ほど話に出た「人がいない」「図書館が機能していない」という課題につながるのかもしれません。

中村　東京都の特別支援学校ではMicrosoft Teamsに「わいわい文庫」のデータをアップして、生徒や先生がダウンロードして使えるような取り組みが広がっています。

生井　本校の小中学生は全員iPadを持っていますね。

成松　特別支援学校ではiPadの比率が高いですよね。歴史的に早くから導入している学校が多い印象です。

中村　iPadはいろいろと付属の機器をつけられたり、アクセシビリティ機能が入ったりしているので活用しやすいそうですね。

成松　寄贈先「その他」の125団体というのはどんな施設ですか。

山根　病院、リハビリ施設、眼科、発達支援センター、放課後とうデイサービスなどが含まれます。

成松　放課後とうデイサービスのような施設はまだあまり知られていないので、PR方法が課題ですね。

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みやした　放課後とうデイサービスの需要はすごくあると思います。図書館ではコロナの時に、「わいわい文庫」を使ったおはなし会をZoomで実施しました。コロナ禍でボランティアの確保ができなかったので、「わいわい文庫」をおはなし会の中に組み込ませていただいたのはすごくよかったです。デイサービスの方が「こういうものがあるんですね」と言っていたので、もっと周知が必要だなと思いました。

入川　本校では、大学で司書教諭資格を取得する学生さんに、特別支援学校の図書館について知ってもらう講義をしています。講義の中にマルチメディアデイジーの体験を取り入れています。学生さんたちからは「初めて知った」「読む速さが変えられるところがいい」などの感想が多く寄せられました。将来、教諭を目指す方々に、こういう体験をしていただくのも一つの方法だと思います。

中村　ありがたいです。「わいわい文庫」の事業を続けていると、ご理解いただいている先生がたから、大学の講義などで「わいわい文庫についてお話ししてもいいですか」というお声をいただくことがあります。その場合、チラシなどの資料をお送りしたり、日程さえ合えば職員が伺ったりすることもできます。

成松　寄贈だけでなく、インフルエンサーをいかに増やせるかですね。一人でも増えてくると、どんどん広がっていくかもしれないですね。

【写真】伊藤忠記念財団 常務理事・事務局長　いけべ まさかずの写真

####「わいわい文庫」と財団に期待すること

成松　現在、「わいわい文庫」はCDの形で学校や図書館などの団体へ提供されていますが、日本障害者リハビリテーション協会の「デイジー子どもゆめ文庫」のような、ブラウザ型に切り替えようという検討が進められていると聞いています。今はCDを使ってタブレットにデータを移す手間がありますが、IDとパスワードでアクセスできるようになると、どの端末でも使いやすくなるというメリットがありますね。

中村　そうですね。まだいつ実現できるかは検討中ですが、皆さん、どう思いますか。

磯口　以前からそうなればいいなと思っていました。

みやした　特に今はCDを再生できるパソコンが減っているので、それがネックになっているところもあります。障害者サービスを利用している子どもたちに渡すIDはどのような感じを想定していますか。

中村　図書館が登録して、障害者サービスを利用しているかたにIDとパスワードを発行できるようにする形ではどうですか。

みやした　そうしていただけるとありがたいです。

中村　現在は学校や図書館にCDをお送りして、それを障害のあるかたのためにコピーしたり、タブレットに入れたりして活用してもらっていますが、Webじょうで同じようにできるようになるのが理想かなという話をしています。将来的には、図書館を通じてだけでなく、個人にも直接IDを配布できるようになると、さらに普及が進むと思います。ただ、その前にWeb配信の仕組みをどう構築するかが課題ですね。

みやした　ひきふね図書館では、ギガスクールの端末を活用した電子図書館を昨年から始めたのですが、その時に学校と連携して小・中学校の全生徒にIDを配布しました。朝読書の時間に電子図書の閲覧数がポンっと伸びるんです。あとは昼休みと放課後に伸びます。

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成松　面白いですね。ブラウザ型配信の構想が具体化すれば、より多くの子どもたちに「わいわい文庫」を届けられるようになるのではないかと期待しています。

　せっかくの機会なので、皆さんから聞きたいことやもっとこうしてほしい、という意見があれば、ぜひお聞かせください。

生井　学校に直接、中村さんたちに来てもらうことは可能ですか。

中村　もちろんです。日程が合えばうかがいます。

生井　作り手の方からお話をしていただけると、「わいわい文庫」の良さが伝わると思います。特にがいこく籍の子どもたちが増えている中で、バージョンブルーの中に楽しめるものがあると思うのでぜひお願いしたいです。

中村　がいこく籍の子どもたちへの対応については、法律がまだ整備されていない部分もあります。特別支援学校にいるがいこく籍の子どもたちには活用できますが、普通校のがいこく籍の子どもたちについては現状バージョンブルーを使っていただいています。

成松　教科書バリアフリー法が変わったように、もう少し進展するといいですね。

磯口　富田林市内の先生がたからも、「わいわい文庫」を無料で続けてもらえたらありがたいという声が多く寄せられています。保護者の方からも、子どもたちが変わったという声をいただいており、先生がたも「いいんだな」と実感してくれています。ぜひ、いろいろなジャンルの本や、中学生向けの図書を増やしていただけたらありがたいです。

生井　子どもたちはどう変わったんですか。

磯口　たとえば、本を読むのが苦手だった子が、「わいわい文庫」を自分なりにカスタマイズして本を読むようになりました。本を読むことで言葉遣いが丁寧になってきたと担任の先生やお母さんから聞いてすごくうれしかったです。また、「わいわい文庫」で読んでもらうことによって、言葉の意味が分かるようになったという反応も多かったです。

入川　小学部の低学年のクラスで「へんしんシリーズ」（あきやまただし作・絵、きんの星社）が人気です。最初は大型絵本で楽しんでいましたが、あとからマルチメディアデイジーにもあることを知って、さらに夢中になりました。1年生から3年生までが一緒に声に出して楽しんでいました。

山根　「へんしんシリーズ」のような、言葉遊びが入った本は、どう作るかとても悩みました。子どもたちが一緒に言葉の変化の面白さを感じてくれているのであれば、よかったです。

【写真】伊藤忠記念財団 電子図書普及事業部 職員　やまね えいこの写真

入川　「じゅういっぴきのねこ」シリーズ（ばばのぼる作、こぐま社）も人気です。本とマルチメディアデイジーのどちらもあるというのがすごく良くて、紹介しやすいです。

みやした　視覚障害のあるかたから、「マルチメディアデイジーを使って孫に読み聞かせをしている」という話を聞いたことがあります。自分は紙の本だと読み聞かせはできないけれど、マルチメディアデイジーだと、一緒に見て読み聞かせることができるという話をされていました。音を消して利用していると聞いて、そういう活用の仕方もあるんだなと思いました。ご本人は「自分は目が見えないけれども、読み聞かせができることがすごくうれしい」と言っていて印象に残っています。

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中村　素晴らしいです。「わいわい文庫」のいろいろな可能性を見つけていってほしいです。

藤田　本当に貴重な活動に参加させていただき、音訳者自身も成長させていただきました。ただ、製作スタッフの負担が大きいのではと感じることもあります。「わいわい文庫」のような取り組みをもっと広げていくために、財団の体制をさらに充実させていただけたらと願っています。

池辺　本日は長時間お付き合いいただき、本当にありがとうございました。「わいわい文庫」を応援してくださる皆さんに集まっていただき、たくさんの励ましの言葉をいただけたことに心から感謝しています。やはり、熱意のある方々を一人でも多く増やしていくことが、「わいわい文庫」の未来にとって重要だと改めて感じました。

　皆さんに「非常に良い取り組みですね」と言っていただけるのですが、そこからさらに広げるにはどうすればいいのか。また、読書のバリアフリーだけでなく、障害のある方々への理解が社会全体でまだ十分ではないという問題もあります。これは、一朝一夕には進まない話ですが、継続的に取り組むべき課題だと考えています。製作においては、効率良く作品を作れる体制をどう構築していくかも課題としてあります。これからも皆さんからいただいたご意見をもとに、製作・普及に努めてまいりたいと思います。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

成松　今回の座談会の締めくくりとして、最後に一言お話しさせていただきます。私自身、長年「読書バリアフリー」をテーマに活動してきた中で、改めて感じるのは、この取り組みが決して特殊な話ではなくみんなに関わる話だということです。特殊な話だという意識を持つと、どうしても「専門の人がやればいい」と思われがちです。でも、財団さんが出版社を回り「一緒にやっていきましょう」というスタンスで「わいわい文庫」を始められたことは特筆すべきことです。出版社もそれぞれができる範囲で協力してくださっています。

　図書館、学校、出版社、音訳ボランティアの皆さんといったさまざまな立場の人たちが協力しながら、バリアをいかに下げていくかということが大きなテーマになっています。「わいわい文庫」は、この取り組みを10年以上続けてこられたことで実証していると思います。藤田さんのように音訳を長く続けてこられたかたも、視覚障害のかただけを対象にしてきた活動を広げる結果になったと思いますし、少しずつ他の分野の人のことを知ることによって解決することがあるのではないかと、皆さんのお話を伺って改めて思いました。

　本日は長時間にわたり本当にありがとうございました。

【注釈】

【注釈1】: わいわい文庫：財団が製作している「マルチメディアデイジー図書」の愛称。

【注釈2】: 東京小中学生センター：財団が1977年から2011年まで板橋区おおやぐちで運営していた児童館。

【注釈3】: マルチメディアデイジー：音声と一緒に文字や画像が表示される電子図書の国際標準規格。

【注釈4】: 日本昔話の旅：全国の図書館等のご協力のもと地域の昔話や伝説をマルチメディアデイジー化し、わいわい文庫「バージョンブルー」に収納。

【注釈5】: わいわい文庫活用じゅつ：学校や図書館の方々にお寄せいただいた「わいわい文庫」の実践事例集。

【注釈6】: バージョンブルー：財団オリジナルのマルチメディアデイジー図書。著作権者の了承を得て、障害の有無に関わらず楽しめる作品を収納。

【注釈7】: サピエ図書館：全国視覚障害者情報提供施設協会が運営。点字・録音図書目録の検索や点字データ、デイジーデータなどのダウンロードができる。https://www.エス、エー、ピー、アイ、イー.or.jp/cgi-bin/CN1WWW

【注釈8】: デイジー子どもゆめ文庫：日本障害者リハビリテーション協会が製作・提供しているマルチメディアデイジー図書。https://ワイ、ユウ、エム、イー.jsrpd.jp/

【写真】座談会出席メンバーと財団職員の集合写真。左から、池辺、中村、山根、生井さん、磯口さん、入川さん、宮下さん、藤田さん、成松さん。

【94P】

【写真】2011年に閉館した東京小中学生センター2階の様子を示すコラージュ画像。わいわいスタジオ、ホール、本の部屋『わいわい文庫』の写真があり、中央にフロア図が配置されている。サイドには当時の野外活動参加しょうバッジと、財団のキャラクター『わいわいベア』のぬいぐるみが写っている。

【95P】

##今後の事業の将来展望

【イラスト】わいわいベア50周年バージョンの立ち絵。右手に「50th」と書かれた黄色い旗を掲げ、左手で花束を抱えているわいわいベア。花束には本の形をしたフラワーピックが刺さっている。