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##今後の事業の将来展望

【イラスト】わいわいベア50周年バージョンの立ち絵。右手に「50th」と書かれた黄色い旗を掲げ、左手で花束を抱えているわいわいベア。花束には本の形をしたフラワーピックが刺さっている。

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###伊藤忠記念財団の今後の展望　元職員インタビュー①　しばた としあき

1977年４月、東京小中学生センター（以下、センター）の職員として入職。1995年4月から2006年3月までセンターの3代目館長を務めた後、助成事業部に異動し「病院・施設子ども読書活動費助成」を立ち上げる。2011年の東日本大震災発生の際は、東北の読書ボランティアを訪問して、被災地支援の実施に繋げた。2013年定年退職。現在は、都内の放課後子ども教室にて勤務中

【写真】しばた としあきさんの写真。

####財団に就職した頃の思い出

　1977年、東京小中学生センターの職員として採用されました。入職した4月はセンターの建物がまだできていなかったので、日本橋のオフィスビル内にあった財団事務局で研修を受けていました。4月末のセンター竣工とともに事務局を移動。5月5日にセンターを開館し、そこで働き始めました。

　開館当時は若者がしらけ世代と言われる時代で、そういう中で新しい児童館を始めることは、楽しみな反面、どんな子どもたちがやって来るのかと不安もありました。でも、初代館長のいとうあきひこ先生は本当に素晴らしいかたで、目的と手段をもって挑めば反応は返ってくるという哲学をお持ちだったんです。実際、職員がそうやって接すると子どもたちはしっかりと応えてくれました。ねん1回の「おばけ大会」も、職員のアドバイスを子どもたちがどんどん吸収してくれて、創意工夫に溢れた時間になって楽しかったですね。

####子ども文庫助成事業の担当に

　2006年、当時のみぞぐち事務局長から「病院や施設の読書支援のための助成プログラムを立ち上げてほしい」と話があり助成事業部に異動しました。事務局長がたまたま訪問した病院で、治療を頑張りながら読書を心の支えにしている子どもの存在を目にして、助成の枠を子ども文庫以外にも広げなければ！となったわけです。それで私に白羽の矢が立ったのですが、当時文庫のことを何も知らなかったので、各地のボランティアさんに連絡してお話を伺ったり参考になりそうな講座があれば受講したりして、とにかくあちこち回って情報を集めました。4月に異動して6月にはもう京都の団体を取材していましたね。とにかく足踏みするよりも始めることが大切だ、ということでプログラムの雛形をつくりました。

　プログラムの新設が決まってからは各地で積極的に宣伝したのですが、その中で「助成で購入した児童書を病院に置いたままにしてもよいですか」という問い合わせをいただいたりもしました。助成じゅりょう者以外への寄贈は認めていないものの、財団の最終目標は「必要な子どもたちの手元に本が届くこと」です。病院や施設で過ごす子どもたちのためには、本がボランティアの手元にあるよりも施設内に置く方が当然手に取りやすい。そこで、ボランティアの管理下に置いてくれるのであれば、病院や施設に保管いただくので問題ないですよ、といった対応を取ったりもしました。せっかく訪問をして現場を見ているわけなので、規程に縛られるのではなく血の通った助成をしたいと思い、皆さんのお話を聞いていましたね。

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####東日本大震災と被災地支援

　毎年度末に開催する子ども文庫助成の贈呈式も思い出ぶかいです。訪問でお話した方々と再会できるので、式当日は会場中で「おめでとうございます」と言って回るんです。同じ地域の方々がお友達になれるように取り次いだりしてね。じゅりょう者の方々は名刺をお持ちでないかたも多いので、財団で贈呈式用の名刺を作成したりもしました。

　そのことが、2011年3月11日の東日本大震災の時にかなりの威力を発揮しました。その年は3月4日が贈呈式でちょうど1週間後に地震が発生。それからは日本じゅうから財団宛にメールや電話の嵐でした。「贈呈式にいらっしゃった岩手のまるまるさんは大丈夫ですか」、「助成金を返すので東北の支援に回してください」と皆さんおっしゃいました。助成金の辞退はお断りして、今すぐ先方に連絡は取れないので分かり次第お知らせする、とお返事しましたが、全国の読書ボランティアの方々の繋がりの強さを実感した出来事でした。皆さん私利私欲なく他の人のために動ける方々なんです。素晴らしい方々ばかりです。

　その後、約1カ月後の4月25日から3日間、岩手・宮城・福島の三県を状況調査のために訪問して、避難所や小学校、えんや移動図書館しゃで子どもたちに本を届けようとしている地元の方々にたくさんお会いしました。自分たちも大変な中、本当に頭の下がる思いでした。そこで、その方々を通常の助成とは別に緊急支援しようということで、「被災地読書支援」を計画し、その年の現地訪問の予算を充てて実施しました。これがのちの「被災地支援」に繋がりました。

####これからの子どもたちのために

　財団は寄付金をいただいて運営しているので、「費用たい効果」も求められます。職員の想いだけではどうにもならない時がある。センター時代、キャンプの教育的効果を定量的に示そうとしたこともありました。数字がすべてではないですが、「この事業は子どもたちのためになっている」と多くの人が納得できる情報を財団は示さなければならない。

　私は、人生で大切なことはすべて東京小中学生センターと子ども文庫助成から学びました。センターでも文庫でも、そこにいるおとなたちは常に向上心と目的をもって活動していました。そうした大人が周りにいるということは、子どもたちにとって非常に大事なことです。

　子どもたちのためには、「夢をもて」、「がんばれ」のような抽象的な声かけだけではだめです。おとなたちも一緒に成長するんだという気概をもって、そのための環境をつくることが大切です。それぞれの子どもに、合うことと合わないことがある。それなら大人がとことん付き合って、その子がやりたいことのために役立ちそうな情報を出してあげればいい。本もそうした情報のひとつですね。自分ごととして子どもと向き合うことが大切です。財団には、今後もそうした意志をもって事業を進めてもらいたいと思います。

（2024年8月26日（月）インタビュー）

【写真】2011年4月に岩手県大船渡市を訪問した際の写真。NPO法人おはなしころりん主宰の江刺由紀子さんと柴田さんが向かい合って話をしている。